今回もデッキ紹介となる。このデッキの開発経緯は半年前の第一回グランドチャンピオン大会後の大幅修正後にまで遡る。もともとはポスト眠り馬車としてデザインしたものだったが、当時まだ勢力を誇っていた王墓ロックデッキに厳しく、《記憶喪失》《蘇生の石》コンボはお蔵入りとなっていた。そのあとの《ルーンの水盤》登場後、ターボモドモというデッキを別に開発した(ニコニコ動画に動画あり)が、このデッキは強い反面、余りにも不安定だったためにこれも開発を中断していた。
そして第一回イースター杯のころ、ふとしたことから二つのデッキは融合に至り、今回紹介するデッキとなった。
このデッキは水族館と色も被る上に構成パーツも同じものがあるものの、その動きはまったく別のもので、水族館とは強みも弱点も異なる。ところで水族館で紹介した隠し味の《音速のドレイク》だが、ソニックブームに関する不具合が見つかったので、今後評価が変わる可能性も存在することをこの場で述べておきたい。
デッキ名 ターボ記憶喪失モドモ
青
4:ミリア河のコーロモドモ
4:記憶喪失
4:いまわの施し
4:湧き出すスライム
2:封印
黄
4:落雷
4:奇抜な発想
4:名案
4:プラズマ
4:ディプロドクス
2:砂の呪縛
2:ディロフォサウルス
2:太古の召喚
アイテム
4:ルーンの水盤
2:蘇生の石

最大の特徴はモンスターの少なさだろう。勝利手段は事実上《ミリア河のコーロモドモ》と《ディプロドクス》の合計8枚の大型モンスターだけである。そしてアイテム対策の《湧き出すスライム》とサポートとして《ディロフォサウルス》で脇を固める。ただし《ディロフォサウルス》は《太古の召喚》との兼ね合いで投入しているだけなので、引きによっては無駄カードになりやすい《太古の召喚》が不要と判断された場合は同時に抜けることになるだろう。
基本的な動きとデッキの構成はいかに素早く《ルーンの水盤》を展開するかを前提にしている。《奇抜な発想》で早期に展開するのが理想となる。水盤を大量に展開できさえすれば、このデッキのデッキパワーは環境でも最強クラスだ。相手のモンスターは豊富な除去で対応し、大型モンスターですら《プラズマ》の前には一撃だ。除去を免れた小型モンスター程度の攻撃なら、水盤の回復能力のほうが上回ることも珍しくない。仕上げは大型を並べて《記憶喪失》するだけとなる。
《記憶喪失》から《蘇生の石》のコンボも強力で、《蘇生の石》と青青5があればいきなり両者の手札が0になった状態で大型が降臨することとなる。また水盤さえあれば《いまわの施し》を使うことも可能となるし、単に水盤で回復するために空打ちすることも可能だ。同様に《名案》はキーカードの《奇抜な発想》や《記憶喪失》を引く確率を高めるだけではなく、水盤を展開後は回復にもなる。
さてこのデッキの弱点だが、全てが《ルーンの水盤》を前提としているため、これを破壊されてしまうとデッキとしては機能不全に陥ってしまう点である。赤緑アグロのアイテム破壊などは厳しい。《奇抜な発想》からの高速展開、そして《記憶喪失》まで繋がれば問答無用となるものの、それができなければ手札のほとんどのカードが何もできない無駄カードとなって押し潰されることになる。
また勝利手段を8枚のカードだけに頼っているため、これらの除去に注力されると攻め手に欠くことがある。幸い維持コストが軽いものばかりなので《霊体化》はそれほど恐くはないものの、1枚無力化されるだけで勝ち手段が1枚減ってしまうという事実は変わらない。勝ち手段を確実なものとするための《記憶喪失》《蘇生の石》コンボなのであるが、単純に水盤を破壊されるだけではなく、実は他にも対抗手段がある。それは《記憶喪失》は有利な状況でしか使用できないという性質の上、こちらには《砂の呪縛》《拘束》コンボのようなロック要素が存在しないために、相手はこちらの魔法でモンスターを除去されても除去されてもとにかく場に出し続ければ、このデッキとて迂闊に《記憶喪失》は使えないのだ。殴り合いの展開ならこのデッキは飛行モンスターもないため、最悪チャンプブロック(死ぬ前提でモンスターに防衛させて自分のライフを死守すること)で時間稼ぎも可能だ。つまりこのデッキに対抗するには、ひたすらモンスターを並べることは非常に有効な対策となる。
このデッキは展開力がとてもあり、引き次第では他のデッキを寄せ付けないパワーがある。現在の環境ではトップクラスの爆発力のあるデッキと言えよう。特定のカードに依存する勝ち手段の乏しいデッキであるという特徴が引き継がれているものの、元のデッキのネックだった除去も追加されてかなり改善されており、強力なデッキに仕上がっている。ギミックが多く、動かしていて楽しいデッキでもある。このデッキは速さというものの重要性をあなたに再認識させてくれるだろう。
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